イベント系TikTokerカミちゃんが生み出した、イベントスクール開校!
カミちゃん/神谷勇輝:東京富士大学イベントプロデュース学科非常勤講師。日本唯一のイベント系クリエイターTikTokerでもあり、フォロワーは3.9万人を誇る。(’24年3月現在)イベントプロデュース会社にて7年勤務後、フリーランスを2年経験し、今年6月30日に株式会社KAMINARIを立ち上げる。イベント業界の慢性的な課題である”教育”に特化したイベント特化型スクールを立ち上げ、業界の未来を”教育”という面から創り出すことに挑んでいる。
@kamichankaminari ついに‥イベアカ、開校です! PR
♬ オリジナル楽曲 - カミちゃん@イベントP - カミちゃん@イベントP
何故”イベント”というニッチなジャンルでTikTokを始められたのですか?
複数あるんですが一つに絞ると、イベントを気軽に楽しく学ぶ場所が今どこにもなくて。TikTokだとグルメ系とかはあるんですけどイベントに関するものって本当にない。
イベントって聞くとコンサート・舞台とか派手なものを想起しがちだと思うんですけど、業界全体で見た時にコンサート・舞台って2~3割ぐらいで。それ以外は展示場・社内の表彰式とかで5~6千万ぐらい使ったりするんです。実はそっちの方が市場規模的には多い。そういった色んなイベントがあるってことと、イベントの新しい楽しみ方を発信したいなと思ったのがきっかけです。
フリーランスではなく会社でイベントをされていた時の、思い出に残ってるイベントはありますか?
3千人のバーベキューを企画したことがあって。川縁でテント何個も建ててタレントさん呼んでってのは思い出に残ってます。”3千人でバーベキュー”っていう非日常の体験とかを作り上げていく瞬間は、やっぱ楽しいなと思います。
今回新しく作られるスクールについて詳しく教えて頂けますか?
一言で言うと、「イベント業界未経験の人がイベント業界に入るまでをサポートするってオンラインサービス」です。第二新卒、中途の人に使って欲しいと思っています。
今の第二新卒の方ってコロナ直撃世代なんです。その時って業界的にかなりの人が辞めてしまったり、専門学校入ったけど募集してない企業が多かったんです。入りたかったけど入られなかった、今他の業界でで働いてるけどやっぱり違う。そんな未経験の方がどうしたら今入れるのかって、選択肢が3つあるんです。
1つ目が専門学校。ただ、転職して専門学校行くのってちょっと現実的ではない。入って2~3年かけても就職が出来ないかもしれないってなると、その選択肢は消えるかなと。
2つ目がバイト。でも職種が限られてるんです。大きく言うとイベンターと運営会社、この2つがバイトを募集してる。となると、バイトから社員になるケースが一番多いのはこの二つ。時間はかかるし、絶対社員になれるとも限らない。テクニカル・制作に行きたくても募集してるところがあまりないので、それも現実的ではない。
ってなると選択肢として、今回のイベント特化型サービスを使って“実務ベース”の学習をして頂くことで、学んだことを業界に入ってからも活かせる。未経験の方が業界に入って辞めるってケースも多いと耳にする中、転職活動する前に学ぶことで、お試しが出来る。業務内容を理解出来るので、ミスマッチを減らして離職率の低下に繋げられると思っています。
オンラインで実務ってどうやるのですか?
簡単に言うと2分程の短い動画をまず見て、その後ドリルをやってもらいます。例えば「アリーナでコンサートがありました。一番最初に入るセクションはどこでしょう。」みたいな形で、動画見て終わりではなく、アウトプットを重視しています。
講義って60分喋って30分ワークみたいなケースが多いんですけど、繰り返しやらないと、繰り返し聞かないと分からないと思うんです。「企画やって!」ってなった時にいきなり企画全部作れる訳ないので。企画書を作成する中でも色んな工程がある。
これを一つやって動画、ドリル、動画…って形だったら同じ60分でも濃さって全然違うと思うんです。インプットとアウトプットを繰り返してもらうところが大きな肝です。
エンタメ業界の転職の特徴で、私自身も難しいと思っているのが、求人があまり出ていなくて紹介制が多いじゃないですか。その辺りもこのサービスは何かサポートがあったりするのですか?
はい。先ほどお伝えしたのが動画学習なんですが、いくつかのサービスがこのアプリの中にあります。
一つが、スキルを学べる。例えば図面スキルを学べるとか。もう一つ大きな特徴としてワークショップがあって。不定期開催なんですが各業界のプロをお呼びして、転職や、人脈がないから入れない点をクリアにしていけるかなと思います。
第二新卒などが主なターゲットと言うことでしたが、経験者で一度業界を離れた人でも受けられるのですか?
もちろんです。あとは専門学校生、ママさんとか。子供が大きくなったから仕事復帰したいって方とかも意外にいらっしゃったり。受けたい方は全員が受けれるような形にはなっているんですが、主な対象は第二新卒です。
ワークショップの講師のバックグラウンドは、どういう方を考えられてるのですか?
例えば万博のプロデューサーとかに、万博のクリエイティブの裏側を伝えてもらったり。レコード会社のA&Rさんにはチケットのこと。音響さん・照明さんとかも。色んな業界で信頼出来る人を中心に、講義を集中的に出来る環境を作っていきたいなと思っています。
それぞれの分野で活躍されてる方々が集まって教えて下さるんですね。
仰る通りです。
そもそも何故このサービスを始められるのでしょうか。
業界的に人材不足は間違いなく顕著になっいて、でも見過ごしている状態なんです。「きついけど回ってるから…」みたいなので採用と教育に力を入れていなかったり。
特に教育面は結構厳しい。先輩によって異なるっていうのがすごく多くて。この先輩に着いたから色々教えてもらえる、この先輩ではあんまり詳しくない、とか。
僕自身も1年間かけて教材の動画をようやく800本くらい出来たので、本当にきつくて。「そりゃあ教えられないわ」って。複雑かつ難しい言葉が出てくる。自分自身も忙しい。この環境で教えるって現実的に難しいって思ったんです。だからそこを補助する、人事的な面をサポートするシステムを作ることで、少しでもイベント業界の人材不足が解決出来るんじゃないかなって本気で思って、そこが一番の起点でした。
最初は目指したい人たちに売っていくんですが、最終地点は全イベント会社に研修として導入してもらうことです。入社1年目って誰も何も教えてくれないから実は忙しくないんです。前提情報がない状態で先輩について現場見ても、「なんかやってるなー」くらいになってしまうと思うんで。もったいないその時間を有効活用出来るサービスにしていけたら良いなと思っておりました。
カミちゃんの中で人材不足はどのぐらい深刻と感じられていますか?
職種によるところは正直あって、大きく分けると主催と制作とテクニカル・運営会社などの各専門会社。この中で主催と制作はそこまで深刻ではない印象です。
専門、特にテクニカル・運営って社員もどんどん辞めていく。お金も安いしツアーとか忙しいし、30歳で続いてる人あまりいなくて。この分野は万博とかで今、人の取り合いになっていて、オペレーターが本当に少ない。5年後、10年後はフリーランスがめちゃくちゃ増えると思います。そうなると余計会社に人がいなくなって、今は受けられているコンサートでも、お金がないし受けられない会社が増えてくる。そうするとあまり経験のないテクニカルさんにお願いしないといけない。ってなった時に、イベントの質が落ちていってしまう。
5年後10年後このまま行くとイベントは増え続ける、ただ人が足りず需要と供給が合わなくなってしまう。なので今手を打たないとっていう感じです。
教育に限らず、カミちゃんの今後目指すところを教えて頂けますか?
TikTokで発信して色んな方と繋がりは出来ていったのですけが、自分で手掛けたイベントと、イベントのプロデューサーとして実績を残すっていうところが弱いので、そういったところを動かしていきたいです。
あとは一定のフォロワーがいるTikToker 20~30人ぐらいのイベント企画をしてたりするので、そういった活動や、イベント版のキッザニアみたいなのを作りたいです。照明を気軽に体験出来るとか。スクールはオンラインだけなんですが、本当はリアルの空間を作って、そこでいつでも体験出来るっていう常設の場所を作っていきたいです。
もう一つ、”イベント業界で50年後を作る”のが僕の生涯かけたビジョンです。イベントが好きでクセの強い人たちがいるこの業界って好きだなぁ!って思うんで、この課題を解決出来るような役割を担っていきたいと思っています。
Photo Credit :[KAMINARI]
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